
蜂窩織炎(ほうかしきえん)
小さな傷から細菌に感染することで発症する細菌感染症です。
皮膚の広い範囲が赤くなって腫れ、熱感と痛みを伴います。ひどくなると皮膚がやぶれ、潰瘍ができることもあります。抗菌薬の内服で治療しますが、重症の場合は入院し点滴治療が必要なこともあります。糖尿病などの基礎疾患がある方は重症化しやすいため注意が必要です。
単純ヘルペスとは?
単純ヘルペスウイルスによる感染症です。
乳幼児期にお父さんやお母さんからウイルスが感染することが多いのですが、症状がでる場合とでない場合があります。症状がでた場合は、39度前後の発熱を認め、口腔内に水疱を多数認め、歯茎が腫れ上がり出血します。痛みのため食事が取れなくなり、重症の場合は入院が必要となることもあります。治癒まで7−10日程度かかります(ヘルペス性歯肉口内炎)。
症状が出た場合もでなかった場合も、感染後は、体内の神経節というところにウイルスは潜伏しています。疲れや発熱、紫外線、ストレスなどにより体の抵抗力が落ちた時などに、ウイルスが元気になり、ピリピリした痛みとともに、唇の周り(口唇ヘルペス)や体のいろいろな部位に水疱や赤い発疹として皮膚症状がでてきます。
アトピー性皮膚炎の患者さまは皮膚のバリア機能が弱く、ヘルペスウイルスに感染すると重症化し、全身に皮疹が広がることがあります(カポジ水痘様発疹症)。
単純ヘルペスによる感染症は全身どこにでも感染するので、患部をさわらないようにしましょう。唇に症状がでているときは、タオルやコップは共有しないようにしましょう。
魚の目・たこ
足の裏や足指の部分にできる魚の目(鶏眼:けいがん)やたこ(胼胝:べんち)。どちらも皮膚が硬くなった状態ですが、たこは芯がなく痛みは少なく、魚の目は芯があって痛みを伴うことがあります。
治療としては、厚く硬くなった角質を削る処置をします。角質を柔らかくする張り薬や塗り薬を用いることもあります。
脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)
長年の紫外線によるダメージや加齢によってできる皮膚の良性腫瘍です。
通常の皮膚の色から黒色調のものまで濃さは様々です。
特に治療の必要はありませんが、気になる場合は、液体窒素による治療や、炭酸ガスレーザーなどで取り除くことができます。
尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)
白くかさかさした皮膚の粉(鱗屑:りんせつ)を伴い、境界がはっきりとした紅斑ができる病気です。刺激を受けやすい部位(肘・膝・臀部など)にできやすい傾向にあります。はっきりとした原因はわかっていませんが、遺伝的素因や生活習慣・肥満などが関連しているといわれています。当院では、ステロイド外用薬、レチノイドや免疫抑制剤の内服による治療を行っています。紫外線療法(部分照射)も行っております。
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)
手のひらや足の裏にカサカサした皮疹や水疱、膿疱ができる病気です。扁桃腺や副鼻腔炎などの感染症や喫煙、金属アレルギーなどが関与していると言われていますが、はっきりとした原因はわかっていません。多くは3−7年で軽快すると言われています。ステロイド外用薬、紫外線治療などを行います。感染症が悪化因子となっている場合はそれらの治療により軽快することもあります。
尋常性白斑(じんじょうせいはくはん)
メラノサイトというメラニン色素を産生する細胞が減少あるいは消失しているために生じる疾患で、皮膚の一部が白くぬけたようになっています。当院では、主にステロイド外用薬や紫外線治療を行っています。
湿疹、薬疹、円形脱毛症、陥入爪 など